2018年度ウユニ塩湖シーズンは6組のハネムーン、ウェディングフォトをウユニ塩湖ウェデイングフォトグラファー兼ガイドコーディネーターとして同行しました。(全てプライベートのお客様・約60日間)
私がガイド・コーディネーターとして同行する場合は、その時のお客様によって内容を考え、現地にて臨機応変に対応していくスタイルをとっています。旅というもの現地に到着してから「これ食べてみたい、ここにいってみたい、こんなことしてみたい」といくらガイドブック等で調べても、実際に中南米に来てから豊富な好奇心や欲求が湧いてくると思うからです。(ペルー・ボリビアの日程は予想以上に体力的にしんどいので、今日は休みたい!というご希望もあります。そんなときはゆっくりとホテルでお休みいただいております。)
そのため同じ行程でも毎回食事するところも違えば、訪れるところも、時間もホテルも違います。
それは、お二人だけのテーラーメイドの旅。
多様な文化、圧倒されるほど豊かで美しい自然、温かい人達。
何度も訪れることのできな中南米は魅力で溢れています。
だからこそ、中南米を訪れてくれた方に最大限に自由に、
楽しんでもらいながら中南米の魅力に触れてほしいと思っています。
その中でも私が意識をしているところは「少し深いところまで触れてほしい」
食事では観光客が訪れるレストランだけではなく、現地ならではのところを。
ホテルでは中南米のエッセンスが入った素敵なホテルを。
観光では文化に直に触れ、人との関わりを。
そして、ガイドはその国を愛している人を。
一過性ではない、再訪してもらえるような、中南米を好きになってもらえるような、
いつまでも思い出にちょこっと残ってもらえるような、
旅・体験をお届けすることを心がけています。
そのために必ず現地の方と仕事をし、関係を築いています。
さて、今季最後に新婚旅行でいらっしゃったお二人。
ペルー・マチュピチュ、ボリビア・ウユニ塩湖、チリ・アタカマ砂漠の14日間の完全同行。
最初の目的地 古代インカの遺跡マチュピチュ
ウユニ塩湖ウェデイング 朝日の凛とした空気の中で
ウユニ塩湖ウェデイング どこまでも続く真っ白な大地
夕日の中で望む アタカマ砂漠月の谷
とても気さくで素敵なお二人で、最終日のチリでは一緒にアーティストの町バルパライソを散策後、
首都サンティアゴにてワインバーにて締めくくるという思い出深い旅となりました。
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私の中でもはじめての、そして「これは素敵だな」と思った嬉しい出来事が起こったのはウユニの町でした。
ウェデイングフォトも無事に撮影が終わり、皆ホッとしていました。
その日はウユニからアタカマ砂漠へ向かう日で午前中に少しだけ時間がありました。
ウユニにいらしたお客様には毎回私が行っているウユニのプロジェクトの話や小学校で行っている環境教育の話をさせてもらっています。奥様が教育関係者だったこともあり、「もしよかったら小学校見学でもしませんか?」と持ちかけたところ「是非!」とのことでしたので、ウユニの小学校へ行くこととなりました。
子どもたちはいつもどおり、外国人が3人もきたからお祭り状態です。
最初は簡単な自己紹介、小学校の先生からの質問、環境教育の授業を行いました。
ゴミの分別について もうみんな間違えません。人参はorganico(有機物)のゴミ箱へ
その後校長先生も混じり、話題は日本とボリビアの教育の違いについて。
日本にはゴミ0運動や学内の掃除がありますが、ボリビアにはありません。
またボリビアの小学校(全てではないと思いますが。)には学内や学外に小さな売店があり、
休み時間にお菓子を買うことができるのです。これは最初とても驚きました。
このウユニの小学校では「環境教育・ごみ問題」と併せて最近は「食育」について
フォーカスをしているとのことで、日本ではどのような食事の教育を行っているかなど
質問を受け、お二人にも少しばかり意見などをいただきました。
そして、最後にお二人にも授業をしてもらいました。
英語が堪能な旦那様はスキルを生かしての英語の授業。
子どもたちも初めて聞く言語に興味津々です。
簡単な英語表現や色などの簡単な単語を子どもたちに教えてくれました。
中には頑張って自己紹介もする子も。
積極的に発言・参加する子どもたち
そして、奥様は「ぐーちょきぱーで何作ろう♪」です。
これも子どもたちに人気です。
おーそうなるんだ。と思ったのはイメージの違いです。
パーとパーで「ちょうちょ」
が
パーとパーで「かに」
でんでんむし。なぜかみんなの両手は「ちょき」のまんま
と度々日本と違うイメージになります。
この手遊びはボリビアにはないようで、リズムなどに困惑しながらも
一所懸命に真似をしている姿は微笑ましいものでした。
一段落し、それでは行きますか、というタイミングで休み時間のチャイム。
愛情表現が豊か。みんな抱きついてきます。
校庭は子どもたちで溢れ、わんさかとよってきます。
またそこで写真を取りながら、出口へと。
予定していた時間を過ぎ、2時間弱子どもたちと時間を共有し、
お二人から「なかなかできない経験だね」と現地の子供達との交流を楽しんでもらえたようで
安心しました。
学校の先生からも「海外の人との交流は子どもたちにとって大切なことなのです」
ということを話していました。
今回のように訪れた中南米の表面的な部分だけではなく、ちょっと中に入った体験。
それは人との交流もあれば、現地のローカルフードや文化体験、好みは様々だと思うけれど、
お互いにとって気持ちの良い関係を旅・ツアーというなかで実践できたことは、
コーディネーター・ガイドという仕事を始めたときから心に留めている
一過性ではない旅行、現地との関わり方、互いに利益のある
「Responsible travel責任のある旅行・旅」の実現に
少しばかり近づいたのかなと思いました。
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お二人もまさか新婚旅行・ウェデイングフォトで訪れた南米で、
小学生に授業をすると思っていなかったと思います。
すでに日本に戻られていますが、今回の旅、そして現地との関わりが
良い思い出となり、中南米を思い出すひとつの記憶となってもらえていたら
嬉しく思います。
全てのお客様と一緒に回る中で、
「中南米」を感じてもらいたい、そして、お客様と現地、双方にとって「良かったね」と
言ってもらえるようなものをこれからも作っていきたいと改めて思いました。