そろそろ2016年も終わりに近づき、こちら南米ボリビアも慌ただしくなってきている。
もうなんだかんだ7年近く、ボリビアと関わってきたけれどもこの時期、クリスマスにボリビアでゆっくりと過ごすことは今までなかったように感じる。
そんな中、大学のボスから「12時に家にきて」
と電話をもらい、ウユニ塩湖プロジェクトで一緒にやっているルイスとタクシーで家に向かった。
結構ボスの家は遠くて、僕の住んでいるアパート、ラパス市内のソポカチ地区(東京で言うところの新宿)から20分ぐらいユンガス方面(アフロボリビアーノ発祥の地)に向かった。
ラパスでは標高が上がれば上がるほど、所得が下がると言われており、
建物の見た目もボリビアンレンガ作りの家ばっかりで、見渡す限り、レンガ作り・基礎丸出しの家が立ち並ぶ。
そんなエリアを通り抜けるとボスの家があった。
周りの家と違い、外壁の塗装も、セキュリティもしっかりとしており、
「きれいな家だねー」とルイスと話しながら、ベルを鳴らす。
なぜか家の前に、汚れたモップのような犬がいて、顔が可愛いけど触りたくないなと思った。
ボスが現れ、家の中に案内されると3階建の素敵な家だった。
いまは新しい客室を作っているみたいで、
「ヨシすんだら」
とお誘いを受けた。いまちょっと検討中。
その後、ダイニングに案内された。
なぜかテーブルの横にある6つの箱が気になる。
「洗濯物を分けているのか、リサイクルボックスかな」
とちょっと考えてやめた。
他愛もない話をしながら、お昼をごちそうになった。
ボスが自ら作ったらしい。
ボリビア食事はスープ、メインにて構成されている。
お昼を外で食べるとAlmuerzoアルムエルソ、というランチメニューがあり、必ず
本日のスープとメインがでてくる。あとラテンアメリカ特有のとてつもなく甘いデザート。
今日の食事は僕の好きなスープ「Sopa de Maniソパデマニ」
ピーナッツを液化したスープで野菜、肉、そしてなぜかポテトチップが入っている。
ホットドックでもハンバーガーでもなぜか南米はポテトチップを入れる。
メインは「Silpanchoシルパンチョ」の豪華版
Silpanchoはボリビア・コチャバンバ地方の伝統料理で、
お米の上に薄く延ばした牛肉、その上にピーマンとトマト、玉ねぎを刻んだものを乗せ、最後に目玉焼きをおとした料理。本日はなんとステーキがまるまる乗っていた。
うっかり写真を撮り忘れた。
スープ・メインともに僕の好きな料理で、特にSopa de maniは格別だった。
食事が終わり、テラスにあがりコカ・コーラを飲みながら、今後のことや日本のことを話した。
ボスは1月に日本に出張にいくようで、色々とリストを作ってわたしたけれど、日本語がまったくしゃべれないので、ちょっと心配。2日間も東京を観光すると言っていたので、観光マップやルートを説明した。
その後、
「よし、大切な話があるから下にきて」
といわれ、
組織の編成やら、大学を離れるとか、色々と考えた。
下につくと、
「どれかすきなものを選びなさい」
と言われた。
僕が最初に見たときは、「洗濯物入れが沢山あるなあ」
と思った箱だった。
6つある中から、緑を選んだ。
ボスが喋りだす。
「これは今年のお礼です。来年もよい年にしましょう!」
そうボリビアでは会社や組織に属していると、会社・上司がみんなに
プレゼントをする文化があるということだった。
スペイン語でなんというか忘れてしまったけれど。
仲間を労うということ。組織からのクリスマスプレゼントだ。
こちらがその箱。
まるで洗濯物入れ。
中にはぎっしり詰まっている。
まずパネトン。ボリビアのクリスマスの風物詩だ。スポンジケーキ。
アピ。紫とうもろこしのジュースの粉。
ゼリーの粉。
3ヶ月後ぐらいに食べようと思うマシュマロ。
アンデアンスペシャルティー(シナモンとクローブが入っている)
そしてランチョンミート。お菓子じゃない。
全部でこんなに入っていました。
小さいころによく貰った、長靴に入ったお菓子を思い出した。
30歳ボリビアで迎えた、クリスマスプレゼントは「お菓子の詰め合わせ」
60歳を超えているボスが詰めていたと思うと、愛らしいな。
南米は色々と整備されておらず、腹立つことが多いけど、
こういう人間らしい、家族を大切にする文化は改めてラテンアメリカの好きな部分だな
再認識。
ボリビアの知らない文化に触れ、
久々にほっこりした、そんな日でした。
本間賢人